うさぎのフードとして、欠かすことができないのがペレット。
ペレットは牧草では摂取しきれないさまざまな栄養素を、補うことができます。
私がうさぎを飼い始めたころは、楽天やAmazonなども今ほど普及しておらず、ペレットを扱っているお店も少なかったので、購入できるペレットも限られていました。
しかし今では、年齢別や、肥満防止、消臭成分を配合など、種類も豊富で、入手もしやすくなっています。
ペレットの商品表示には、主原料や栄養成分など、さまざまな記載がありますが、最近のペレットは、ほとんどの商品が、うさぎの健康に大変配慮されています。
ですので、ここでは、ペレットを購入するときの基本的な選び方について記載したいと思います。
うさぎが好んで食べてくれること
「うちの子は生後〇年だから、ペレットは生後〇年から〇年用のこのタイプ」なんて想定しながら、ペレットを選んでいませんか?
「生後〇年」というのは、確かに目安にはなりますが、うさぎの成長にも体質にも、ある程度個体差がありますし、必ずしも時計で計ったように、教則本のように、成長してくれるわけではありません。
私も昔、「生後〇年用」にこだわってペレットを購入していましたが、生後〇年のうさちゃんが食べるはずと思って購入したペレットを、食べてくれなかった時は、すごくショックを受けました。
「どうしよう、うちの子は世間の標準と違うのかな」なんて思い悩んだり・・・。
でも今なら思います、「世間の標準」なんてないんです。
今、目の前にいるそのうさちゃんが、飼い主さんとそのうさちゃんにとっての「標準」だと思ってください。
「標準」は、飼い主さんとうさちゃんの二人三脚で、探し、築き上げていってください。
その上で、どのペレットが最適なのか、選んでいただければ、と思います。
「肥満防止」にこだわりすぎない
確かに、おなかにお肉が付きすぎて、食糞もできないくらい、太ってしまったら、それは問題です。直ちに、ダイエットに励んでください。
しかし、普通に食糞もし、普通に走って、普通に元気にしている子だったら、あまり「肥満防止」の文言に、こだわることはないのかな、と私は思います。
私は、うさぎを長く飼っていますが、その分、お見送りもしてきました。うさぎは病気で痩せるとき、本当に、あっという間に痩せていきます。
あの恐ろしい光景を目の当たりにすると、少々肥満なことくらい、どうってことなくなってしまいます。
飼い主さんが神経質になると、その思いがうさちゃんに伝わってしまいます。問題なく元気に過ごしているならば、あまり肥満を気にすることなく、おおらかに受け止めていただければ、と思います。
2種類以上のペレットをあげましょう
「うさぎに牧草をあげるときに気を付けたいこと」でもお伝えしましたが、昨日まで普通に売っていたペレットが、急に流通しなくなった、なんてことは、しばしば起こります。
原因は、天災だったり、メーカーの意向変更だったり、本当にさまざまです。中には、パッケージが変わるだけで、流通が止まったりもします。
どちらかというと食べ物に保守的なうさぎは、突然変更になったペレットを都合よく食べてくれる、なんてことは、なかなかありません。
こんなときに困らないためにも、常日頃から、できれば違うメーカーのペレットを、2種類以上、あたえておけば、突然の流通停止も、しのぐことができますし、また、ペレットを変更するときでも、うさちゃんにあやしまれることなく、少しずつ変えていくことだってできますよ。
入手しやすいペレットであること
「〇〇というお店でしか買うことができないペレット」というのも、確かにプレミアム感満載ですが、長くうさぎにあたえていくということを考えると、なかなか不安な状態です。
「うさぎ専門店で取り扱っているペレットの方が上質」なんてことは、一概には言えません。最近は、うさぎフードを取り扱う大型スーパーも増えており、そこで購入できるペレットも十分上質ですよ。
飼い主さんとうさちゃんが安心して食べ続けることができるように、あまりにも入手が困難なペレットは、見送ったほうがいいかもしれません。
カルシウムの不足にもご用心
最近のペレットは、尿路結石を心配するあまり、カルシウム量を低く配合する傾向があります。
確かに尿路結石は、絶対に避けたい病気ではありますが、かと言って、カルシウムが不足しても、いい状態とは言えません。
以前、私が一緒に暮らしていた10歳のうさちゃん(今はお月さまに行ってしまいました)が、晩年、病気のため、病院でレントゲン写真を撮ってもらったとき、その写真を見て、私はがく然としてしまいました。
うさちゃんの骨が、いつ骨折してもおかしくないくらい、スッカスカだったのです。
尿路結石を恐れた私は、うさちゃんに、低カルシウムのペレットをあげ続けていたんですね。
いざ骨折をしたとしても、10歳のうさちゃんには、手術に耐えうるだけの体力を持ち合わせていません。
低カルシウムのペレットをあたえるときは、同時にうさちゃんがカルシウム不足にならないか、注意してあげましょう。
もし、どうしても尿路結石が心配なら、水分を多く摂取できるようにしてあげてはいかがでしょうか?
例えば、ボトル型給水器をやめて、お皿などからお水を簡単に飲めるようにしてあげるのも一つの方法です。
ボトル型給水器は、見た目もとってもかわいらしく、衛生的にも便利なものですが、ボトル型給水器でうさちゃんが水を飲むためには、給水器下のボールを、うさちゃんの小さな舌で、その都度押し上げる必要があります。
しかもこのボールには、給水器全体の水圧も加わってくるため、ボトルにお水がいっぱい入った状態だと、そこそこの重さとなってきます。
つまり、うさちゃんがボトル型給水器からお水を飲むためには、あの小さな舌に、水圧に打ち勝つ力を込めて、ボールを押す必要があるのです。一口水を飲むごとに、力が必要になってきますので、飲みたいだけのお水を飲むのは、そこそこ一苦労です。
野生のうさぎは、ボトル型給水器ではなく、池などから水を摂取しますよね。あんな感じで、ちょっと深めのお皿などから、うさちゃんが気軽に飲みたい分だけ心置きなく水分を摂取できるようにしてあげてもいいと思いますよ。
自然な姿勢でたっぷりお水を飲むことができる、ボウルタイプの給水ボトルとして、SANKOの「インサイド ディッシュドリンカー」という商品があります。
設定に多少手間がかかるようですが、こちらのタイプですと、うさちゃんが飲んだお水の量をはかることもできて、うさちゃんの給水も楽にできるかと思いますよ。
水分を多く摂取できれば、その分、おしっこの量も増えますので、尿路結石になる可能性は低くなります。
また、うさぎがなりやすい病気のひとつに「ウサギ消化器症候群(RGIS)」(うっ滞)があります。うっ滞の原因としては、繊維質の不足やストレスなどが考えられますが、こちらも十分な水分を摂取できていれば、予防できる可能性が高い病気ですので、うっ滞予防の観点からも、水分補給はとても大切です。
飼い主さんとうさちゃんが、一番快適に過ごせる方法を、一緒に探してくださいね。
いかがでしたか?
うさちゃんと飼い主さんで、一緒にぴったりのペレットを探してみてくださいね。
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文中の水を飲むうさぎの写真は、H.M. StolkerによるPixabayからの画像です。
アイキャッチ画像はMegan ZopfによるPixabayからの画像です。